Boreal Laser社 TDLAS レーザーガス分析計

[TDLAS製品で測定できるガス] 

HF(フッカ水素)、NH3(アンモニア)、H2S(硫化水素),CH4(メタン)、CO2(二酸化炭素)、CO(一酸化炭素)、HCN(シアン化水素)、HCL(塩化水素)、H2O(水)など

レーザーガス分析計【GasFinder2】

GasFinder2


■ GasFinderの価格レンジ

700万円~1500万円(2013年7月までの導入実績に基づく。仕様によっては上記以上になる可能性もあります。)

オープンパス以外のGasFinderは工場に設置するという性格上、ライン数やセル等お客様と綿密に打ち合わせて設計するため、簡易計測器と比べると価格帯が高額の分析装置です。お問い合わせの際は予めご了承ください。

GasFinder製品下限値表

※ 4mセルは排気用プローブを製作した正確な光路長さです。それ以外は装置を設置した距離のため若干の変動があります。

※ HCNおよびHClは現在評価中につき暫定値です。

TDLASはTunable Diode Laser Absorption Spectroscopyの略で近赤外波長可変半導体レーザー吸収分光法と呼ばれます。

 

測定原理としては、半導体レーザー送受信機とレトロ反射鏡間の光路中で対象成分を吸収させ測定を行うものです。→詳細はこちら

半導体レーザーが吸収された波長域の光はガスの濃度に応じた信号となります。FT-IRによるオープンパス測定法と似ていますが、

最大の違いは、TDLAS装置では対象ガスの吸収ピークにあった波長のレーザーを使用するするため他成分の干渉を受けないという点です。

 

このため例えば野外測定においてFT-IRほど湿度や雨、埃の影響を気にしなくてよい利点があります。

測定できるガスとしてHF、NH3、H2S、CH4、CO2、CO、HCN、HCL、H2Oなどがあります。

上記ガスのいずれかをご選択いただく単ガス測定になりますが、ある成分がとにかく測れればよいというお客様向けです。

Boreal Laser社 GasFinder製品の技術は安全、環境およびオンラインプロセスに関する多くのアプリケーションにおいてその有効性を実証されています。GasFinderシステムは堅牢かつ信頼性が高く運用保守も容易のため危険なアプリケーションで使用されています。

新製品リリース! 【GasFinderPT】

GasFinderPT

GasFinderPT

GasFinderPTは、スタンドアロンタイプのHF測定用レーザーポイント検出器です。雰囲気におけるHFを0.1ppm~500ppmのレンジで検出します。GasFinderPTはBoreal Laser社のオープンパスレーザーガス分析装置の技術に基づき開発されており、約20cm(8インチ)の単光路でHFを検出します。応答速度は1秒と早く、ヒステリシスもありません。 GasFinderPTは迅速かつクリアにHFリークおよび安全な濃度まで戻るまでの挙動を検知します。高感度と応答の速さでHFが存在する作業環境の測定に最適です。またHFをネットワークで結ぶことで、Boreal Laser社のオープンパスモニタリングシステムを補完して、HFの測定・リーク検知ソリューションをご提供いたします。


GasFinderPTの構造
GasFinderPTの構造

GasFinderPTは雰囲気中に局所化されたHF濃度を測定するために装置内に20cmの短光路オープンパスを組み込んだレーザーガス分析装置です。 GasFinder PTの筐体には、レーザーダイオード、レーザー制御ボード、マイコンサブシステムが搭載されています。レーザーダイオードはHFの吸収に合わせた波長の光を発します。レーザー光線はミラーで角度を変えられ、20cmのオープンパス光路を進んだのち、フォトダイオードに入射します。またレーザー光線の一部は分岐しレーザー波長が安定しているかの確認のため、参照セルを通過します。測定シグナルは保存されたキャリブレーションデータと比較され、雰囲気中のHF濃度がわかります。測定されたHFの濃度は装置の画面上で常に更新されます。また4-20mAのアナログ出力でも更新されます。アラームリレー出力により、外部警報装置を作動できます。また全ての信号は診断レポートつきです。

 

そして送受信機から発信されたレーザー光は雰囲気中を進み、反射鏡で反射された後、送受信機で受信されます。受信された光はフォトダイオードに集められます。 受信された信号の一部は基板上の参照セルに送り込まれ常に校正値が更新されます。そしてサンプル信号と参照信号を比較し、光路中に存在するガスの濃度を決定しています。

 

GasFinderFCは、送受信ユニットに電力を消費しないタイプで、電気部と切り離されたヘッドまたはプローブに収納されています。電気部で発生したレーザー光は、光ファイバーケーブルによりレーザーダイオードからヘッドまたはプローブまで運ばれ、測定する光路の向こう側にある反射鏡に向け方向を変えられます。そして反射鏡から帰ってきた光はフォトダイオードで集められ同軸光ファイバーケーブルを通して信号処理部に戻された後分析されます。

 

GasFinderMCの動作原理はGasFinderFCと同様ですが、(ご予算に応じて)最大8チャンネルまで増設できる信号処理部をもっています。GasFinderMCの送受信機は電源を使用しないため、GasFinderMCは電気的に危険な区域に設置することができます。

 

GasFinder全モデルの端末データ表示はシンプルで、メニューに沿って設定できるようになっています。シリアル信号は装置内の状態に関する多くの情報が盛り込まれています。内蔵のデータロガーは10,000までのデータを記録します。付属のソフトウェアBoreal GasViewを使って簡単にデータをPCに転送できます。

GasFinderPTのアプリケーション

HF(フッ化水素)漏えい検知および作業環境測定

  • HFアルキル化精錬所
  • HF生産および使用
  • HF輸送における積下ろし時
  • 核燃料処理施設
  • 核燃料処理施設

フェンスラインモニタリング

  • 精錬所および化学工場
  • アルミニウム溶解炉

HF除去効率

  • 水壁を使ったHF除去の破過濃度検知

GasFinderPTの特長

1. HF検出専用なので誤報がありません。

2. リアルタイムの1秒応答

3. 据付と運用が簡単かつローコスト

4. 常に稼動している部品がないため、イニシャルおよびメンテナンスがローコスト

5. アラームがなった後、データをクリアすれば前のデータの影響を受けず正確な数値が出せます。

6. さまざまな温度・湿度環境でも安定して測定できます。

GasFinderPT仕様

対象ガス:

雰囲気中のHF


検出下限:

0.1ppm


検出上限:

500ppm


繰り返し精度:

3日間で <3%


測定応答時間:

1秒


精度:

±0.1ppmまたは読取値の2%のうちいずれか大きいほう


出力:

3ポートのアナログ出力 (4-20mA, インピーダンスは750Ωにマッチ)


ポート1:

ポート2:

ポート3:

HF濃度 0-10ppmに目盛合わせ

HF濃度 0-100ppmに目盛合わせ

光量


3ポートSPDTドライリレー接点

接点1:

接点2:

接点3:

高濃度警報点 3ppm

高高濃度警報点 9ppm

誤報


端末画面表示:

ガス濃度、光量、アラームステータス


ユーザーインターフェース:

RS232シリアルケーブル
シリアルデータをカードに保存


動作環境

温度:

湿度:

-50℃〜+50℃

0%~100%


電源

入力:

最大電流:

オプション入力電源:

90-240VAC 50/60 Hz

120Vで1A

24VAC


重量:

14.6kg


本体サイズ:

奥行×幅×高さ 495mm×368mm×160mm


マウント:

4×1/4インチボルト(Unistrut) 厚さ1/4メタルプレート


危険エリア対応:

クラス1、Div2、グループABCD


侵入防護:

NEMAクラス4


筐体材質:

316SS

 


レーザーによるローコスト、高速、信頼性のあるガス分析技術

レーザー技術を利用したガス分析はプロセス分析・品質管理・安全・環境コンプライアンスの分野で多岐に渡って使用されています。理由は他の技術よりもコストが低く信頼性があるからです。

 

レーザー検出器は波長可変ダイオードレーザーと光ファイバーを組み合わせて振動数や波長により(ラジオと同様に)信号を変換し検出する技術です。レーザー検出技術ではレーザー光をガスに当て、吸収された光量よりガスの濃度を定量します。レーザーはある単一の波長で光を発します。一般的に波長可変ダイオードレーザーでは温度とバイアス電流を調節することで波長を変えることができます。この特性こそが、レーザー検出器に比類のない選択性・感度・ダイナミックレンジ・高速応答が与えられる要因です。Boreal Laser社ではさらに独自の仕様を加え製品のGasFinderをローコスト・簡易・メンテナンスが低減されたレーザーガス分析装置としました。その結果、GasFinderは既存のガス検出器に変わり、適用事例を拡大させています。

レーザーガス分析による利点

波長可変ダイオードレーザー技術は既存の技術に対して優位性があります。実際的には単一の波長に調整して使用します。室温では可変ダイオードレーザーは近赤外光(NIR)を発します。近赤外光を吸収する化合物(ガス)は多くあります。化合物にはそれぞれ固有の吸収特性、また吸収線の集合で構成されたスペクトルがあります。波長可変ダイオードレーザーではターゲットガスのピークに合わせて波長を変えられるので、他のガスのピークと干渉しません。したがってレーザーによるガス検出は選択性が高く、他のガスの干渉を受けないという利点があります。レーザーは単一波長という特性以外にも広いダイナミックレンジに渡って直線性があることがあげられます。

 

波長可変ダイオードレーザーはミリワットレベルの電力しか消費しません。したがって、オープンパスでレーザー光が目に入っても安全です。それでも単一波長にエネルギーが集中するため、ガスの吸収は起きます。シグナルノイズ比も高く、応答時間は一般的に1~2秒と短いです。また、ロングパスでも使え、吸収が弱い低濃度でも正確な測定ができます。

 

ダイオードレーザーは他の半導体デバイスに比べて利点の多い小型の半導体検出器です。室温で動作し、長期(5年)に渡って動作の信頼性を達成できます。近赤外領域(700nm~2000nm)であればこれらのメリットを享受できます。この領域に吸収ピークを持つガスは多く、アプリケーションも多いです。

 

波長可変ダイオードレーザーからの光は簡単に光ファイバーに集束することができます。ファイバーにより複数の測定点にレーザーを伝送することができるため、一つの光学系で多点測定ができます。これによりコストを下げることができます。

GasFinder ─ 利点を増したレーザーガス分析装置

Boreal Laser社では一般的なTDLAS技術にさらに独自の仕様を加え製品のGasFinderをローコスト・簡易・メンテナンスが低減されたガス分析装置を開発しました。その結果、GasFinderは既存のガス検出器に変わり、適用事例を拡大させています。レーザーガス検出器で使われる波長変調方式は通常位相をマッチさせる手順があるが時間がかかり専門知識を要します。この手順は光路を変換するために繰り返し行わなければなりません。GasFinderはBoreal Laserの特許である「非位相調整方式」を採用しており、この手順が不要です。

 

これは光路長が変わっても装置側の調節なしにGasFinderを使えることを意味します。つまりラジオのような使い方ができるということです。光路長からの信号は装置内部の参照セルを通過した信号と比較され、光路中のガス濃度を計算します。したがってGasFinderを使用するにあたっては光路長が変わってもむ特別な調整も専門知識も要しません。

 

次なるGasFinderの特長はBoreal Laserが独自に開発した(HF等の)活性ガスに対する安定した校正セルです。前述したように長年にわたりラジオのような使い方ができるということです。さらにGasFinderのレーザーは吸収ピークに対しで次々とオンオフできます。オフラインのとき参照セル測定はゼロ調節となります。これに対しオンラインのとき参照セル測定はスパン調節となります。

参照セルは安定しているため以下の状態を可能にします

  1. スパンおよびゼロドリフトがない。

  2. GasFinderは工場で校正して出荷した後は校正する必要がない。

  3. 他ガスの干渉を受けないためターゲットガスが測定されていないことが確かである

─光路長にターゲットガスが存在しない場合に重要な意味をもつ

 

これらを達成するためには参照セルが安定していることが不可欠です。

参照セルはGasFinderの重要な特性ですので、内蔵の診断機能によって校正セルの安定性は常時チェックされています。

 

現在GasFinderは3つの仕様があります。可搬型のGasFinder2はトランシーバーおよび離れたところに設置するレトロ反射鏡とで構成される。GasFinderはテレスコープ、可視レーザー光および2軸マウントをつかってレトロ反射鏡に対して光軸を調節します 。ガスファインダーの測定可能光路長は1mから1000mです。GasFinderはバッテリーで駆動し重量は5kg以下と軽量です。

「非位相調整方式」により、セットアップから測定開始までの時間は約10分と短いのでGasFinderは可搬型ですぐに設置できる分析装置としては最適です。

GasFinderシリーズのアプリケーション

酸性ガス工程におけるH2S(硫化水素)モニタリング

精錬所周辺におけるH2S、CH4(メタン)およびNH3(アンモニア)のモニタリング

パイプライン漏えい時の飛行機によるCH4モニタリング

温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)およびCH4のモニタリング

農業分野のCH4およびNH3排出モニタリング

埋立処理場のホット・スポットの検出

GasFinder2

GasFinder2

GasFinder2

GasFinder2は小型かつ軽量(約5kg)で持ち運び可能なオープンパスレーザーガス分析装置です。1秒という高速レスポンスとダイナミックレンジの広さが特長です。また、一度装置を校正したら長期間校正する必要がありません。装置のアラインメントも容易で安定しています。GasFinder2は三脚に載せてレトロ反射鏡と組み合わせて使用します。赤色可視レーザー光で視認しながら簡単にアラインメントを行えます。GasFinderシリーズの応答速度は光路に依存しないため、オプションスキャン用マウントを使えば1mと1000mの範囲内で光路を次々と測定できます。GasFinderは、プロセスのターンアラウンド期間中、建設中、試験運転中などの短期間での安全性を含めた調査およびトラブル対応に適しています。


GasFinder2用 自動スキャニングマウント

GasFinder2用 自動スキャニングマウント

GasFinder2用 自動スキャニングマウント

Boreal Laser Inc.製GasFinder2は、近年オープンパスの雰囲気モニタリングの様々な分野で使用されてきています。 GasFinder2の小型軽量(5kg未満)、校正不要、バッテリー駆動という点が支持されているからです。 アラインメントは容易かつ安定しています。操作も簡単で1時間説明を受ければ誰でも操作できるでしょう。GasFinder2システムは10分以内にセットアップして動作させることができます。

このGasFinder2検出器に自動スキャニングマウントを装備するとGasFinder2の有効性が更に高まります。この自動スキャニングマウントは水平360度および垂直120度の自動スキャンが可能です。もちろんソフトウェアで制御可能です。GasFinderの応答は光路に依存しません。したがってレトロリフレクターを複数個設置することで、複数光路を迅速に測定できます。5から10本までの光路なら1分以内で測定できます。


野外での測定例

光路中に累積された測定濃度は煙マッピングまたは断層撮影用ソフトウェアを使い以下のデータを求めて分析します

■ リアルタイムの縦軸濃度プロファイルと横軸となる対象物質源からの風速を含めた流入速度

■ 水平スキャンで対象物質源を同定

GasFinder FC (Fiber-Coupled)

GasFinder FC (Fiber-Coupled)

GasFinder FC (Fiber-Coupled)

GasFinderFCはGasFinderシリーズの利点を全て兼ね揃えた、ファイバーケーブル接続型可搬ユニットです。オープンパスあるいは煙道のモニタリングいずれにも適用できますが、GasFinderFCは飛行機や車に搭載するリーク検知システムのベースにもなります。


GasFinder MC (Multi-Channel)

GasFinder MC (Multi-Channel)

GasFinder MC (Multi-Channel)

GasFinderMCは、8つまでの光路を同時にモニターすることができるマルチパスレーザーガス分析システムです。光路はオープンまたは煙道・ダクトの中から自由に組み合わせることができます。GasFinder MCの多光路分析機能により、比較的低価格で完全な施設周辺モニタリングシステムを構築することができます。ただしレトロ反射鏡はチャンネル数に応じて別途ご購入の必要があります。ご了承ください。


設置例

TDLASの原理・構造についてはこちら